大ヒット上映中の「国宝」を映画館で観てきました。
吉沢亮さんと横浜流星さんのお二人の演技が絶賛されている本作。
かなり評判が良いので期待し過ぎないようにしつつも、期待Maxで鑑賞しました。
国宝 基本情報

公開日:2025年6月6日
原作:吉田修一
脚本:奥寺佐渡子
監督:李 相日
国宝 キャスト
- 立花喜久雄(吉沢亮)
- 大垣俊介(横浜流星)
- 花井半二郎(渡辺謙)
- 大垣幸子(寺島しのぶ)
- 福田春江(高畑充希)
- 彰子(森七菜)
- 竹野(三浦貴大)
- 藤駒(見上愛)
- 喜久雄:少年時代(黒川想矢)
- 俊介:少年時代(越山敬達)
国宝 あらすじ
ヤクザの息子に生まれた喜久雄。生まれ持った美貌で子供の頃から周囲を惹きつける魅力があった。だがヤクザ同士の抗争により父を亡くし、その後母も亡くし天涯孤独となった喜久雄は、上方歌舞伎の名門の当主、花井半二郎に引き取られる。そこで歌舞伎の世界に入る事となり、半二郎の息子の俊介と、ライバルでもあり友人のような兄弟のような関係で育っていく。しかし大人になり、それぞれの運命に翻弄され関係が崩れていく…。
国宝 感想
期待Maxで見に行きましたが、率直な感想としてはほぼ期待通り、満足できる映画でした。
やはり何と言っても吉沢亮さん、横浜流星さん、お二人の演技が素晴らしい!!!
一緒に見に行った夫と見終わった後に感想を話したのですが、二人揃ってまず第一声は「役者って凄いね」でした。
多くの人がそれを感じたであろうと思う程、とにかく役者魂が画面から溢れています。
私は普段、海外作品の方が好みで、日本作品は時々しか見ていなかったのですが、この「国宝」を見て圧倒されました。
題材が歌舞伎という事もあり、日本の魅力が溢れていると。
衣装だったり、歌舞伎の舞台だったり、楽屋裏の雰囲気だったり。
3時間という映画が全く長く感じず、むしろ「え?もう終わり?」というぐらい内容が濃かったです。
いや~、日本映画をもっと見たくさせてくれる映画でしたね。
吉沢亮の演技力
先述したように、私は時々しか日本作品を見ていなかった事もあり、失礼ながら吉沢亮さんがこんなに凄い俳優さんだとは知りませんでした。
もちろんルックスが良いのは以前から知っていましたが、正直それだけの印象しかなく…。
こんなに演技力が凄い俳優だったのか!という驚き。
本当に凄かった。
この役、吉沢亮さん以外に誰が出来る?と考えても他に居ない気がします。
演技がとても自然で、完全に喜久雄になり切っているように感じました。
又、顔がそもそも女形というか、骨ばっていなくて女性のように丸く柔らかい輪郭をされていますよね。体つきもゴツゴツしていなくて、どっちかと言うとなで肩。それら全てがこの役にドンピシャで、歌舞伎姿が本当に美しいです。
そして初めて大役を任された時の緊張感や、その後の舞う姿など、終始その演技力に惹きつけられました。
横浜流星の演技力
個人的には吉沢亮さんより横浜流星さんの方が、今まで他の作品も色々見た事はあるのですが…。
今回の「国宝」に限って比較すると、やはり演技は吉沢亮さんの方が上だったように感じます。
まぁ、役や演出によるというのもあるでしょうけど。
横浜流星さんも歌舞伎姿や、喜久雄の才能に苦悩する姿など、どれも演技は素晴らしかったですが、吉沢亮さんの演技の方が凄過ぎた…という印象。
でも鑑賞前の色んなレビューを読むと、吉沢亮さんの方が絶賛が目立っていたので、想像していたよりも横浜流星さんも良かったな~と感じました。
ただ歌舞伎の化粧をした姿はさすがに吉沢亮さんには勝てないですね。吉沢亮さんの場合はほぼ女性ですから(笑)
横浜流星さんは歌舞伎をしている時でも、骨格などから男性を感じました。
それさえも俊介として喜久雄との差を見せる為の演技や演出だとしたら凄いけれど。
↓以下ネタバレあり
前半が特に面白い
少年時代から喜久雄が三代目に襲名するあたりまでが一番面白かったです。
次々とストーリーが展開していき、迫力もあり、二人の青春時代と成長していく様が生き生きしていて目が離せません。
私がこの映画通して一番息を飲んで見たシーンは、喜久雄が曾根崎心中の代役を務めるシーンです。
直前に震えている喜久雄。
それを励ます俊介。
圧巻の演技をする喜久雄。
それを見てどん底に落ち込む俊介。
このシーンは本当に惹き込まれました。
映像や演出も素晴らしいですが、それを上回る吉沢亮さんの演技の緊迫感と歌舞伎の姿に俊介と同様にこちらも圧倒されます。
もっと時間をかけて欲しかった
そしてその後、
俊介逃げ出す
喜久雄は三代目襲名
半二郎が亡くなる
俊介が戻って来る
喜久雄の仕事が減る
焦った喜久雄が彰子を利用する
喜久雄が歌舞伎界から追放状態になる
って感じの流れです。
う~ん、この辺りも面白くない訳ではないのですが、駆け足で次々ストーリーを追っていく感じで、やや物足りない。
出来事が起きても、すぐにまた次の展開になるので、あっけなく感じてしまいました。
やはり3時間では無理がありますよね。
これだけの作品だと、出来れば3時間×2部、又は3部ぐらいでじっくり一つ一つを時間を使って描けばもっと完璧な作品になったのでは?と思わずにいられません。
更にその後、喜久雄は歌舞伎界に戻ってきます。
これもね~、何だかあっけなく戻った印象。時間短縮で。
そして次は俊介が糖尿病で足を切断…。
この辺りは横浜流星さんの見せ場で渾身の演技でした。
ただ、化粧は汗と涙でドロドロ、髪も乱れ…という姿が酷過ぎて、そこまでドロドロにする必要あるのかな?と思いながら見ましたが。
汚くなりきれない喜久雄
周囲の人や子供まで切り捨て、自分が歌舞伎役者として成功する事を目指し、それを成し遂げた喜久雄。
でも最後に大人になった娘が登場し、「父親とは認めない」けど「日本一の歌舞伎役者になったね」と言います。
これが…要らないんじゃない?
あ~、なんか綺麗に収まっちゃうの~?と残念でした。
周囲を傷つけ切り捨ててきた結果、喜久雄は人間国宝になれたけれど孤独に…という流れが個人的は好きです。
ふと思い出すのはケイト・ブランシェット主演の「エリザベス」のような。
脇役で好きだった人
脇役ではなく主役の子供時代ですが、黒川想矢くん!
少し前に「怪物」を見たので、最近気になっていた黒川くん。
姿や雰囲気が本当に魅力的ですね。
存在感があり過ぎ。
この先めちゃくちゃ期待できる俳優さんです!
あと、好きな俳優さんは三浦貴大さん。
以前から好きなのですが、やっぱり今回も上手いなぁと思いつつ見ました。
特に目立つ訳ではなく、普通の人の役ですが、それでもなぜか印象に残る…というのが三浦さんらしいと思います。
それから、見終わった後に気付いたのですが、喜久雄の父親役、永瀬正敏さんだったんですね!気付きませんでした(汗)
国宝 まとめ
かなり期待値が高かったので、少し厳しめに書いた部分もありますが、全体的にはもちろん大満足の作品です。
他の日本映画とは一段、二段、レベルが違うというか。
映像も演技も十分見応えがあるので、鑑賞代が安く感じた程。
この作品は絶対に映画館で見るべきですね。
迫力が全然違います。