台湾ドラマ「時をかける愛」(原題:想見你/Someday Or One Day)を観ました。
時空を超えた純愛ミステリー。
数多くのタイムスリップドラマがありますが、そんな中でも脚本がかなり秀逸なドラマ。
見始めたら絶対ハマる事間違いなし!
Contents
時をかける愛 作品情報
製作:台湾
ジャンル:ミステリー、ファンタジー、ラブロマンス
脚本:簡奇峯(ジエン・チーフォン)、林欣慧(リン・シンホイ)
監督:黄天仁(ホアン・ティエンレン)
話数:全13話
時をかける愛 キャスト
- 雨萱ユーシュエン/韻如ユンルー役(柯佳嬿 アリス・クー)
- 詮勝チュエンション/子維ズーウェイ役(許光漢グレッグ・ハン)
- 俊傑ジュンジエ役(施柏宇パトリック・シー)
時をかける愛 あらすじ・予告
あらすじ
黄雨萱(ホァン・ユーシュエン)は、アプリ開発の企業で働くキャリアウーマン。雨萱には大切な恋人 王詮勝(ワン・チュエンション)がいたが、2年前の飛行機事故で行方不明になっていた。雨萱は訪ねた霊媒師からあるキーワードを告げられる。(引用:ホームドラマチャンネル)
本ページの配信情報は変更される可能性があります
感想(ネタバレなし)
かなり面白かったです!脚本が凄い。
このドラマこそネタバレや前情報を知らずに見るべき作品。(なので出来るだけ前半は緩めに感想を書いています)
実は私、放送に合わせて毎週1話ずつ見ていたのですが、中盤ぐらいであまりの面白さと綿密な内容に、週1ペースというじれったさに耐えきれず全話放送が終わるまで途中から見るのをやめました。
そしてようやく全話イッキ見したのですが…
このドラマは絶対にイッキ見がお勧めです。前半から伏線だらけなので、チマチマ見ていると見逃す部分も多くなったりして面白さが半減しそう。意味のあるセリフの連続なので聞き逃せません。
さらに2回視聴するのがお勧め!1回目と違い、全て知った上で見ると感情移入の仕方が全く変わってきます!
古いウォークマンとカセットテープがこのドラマのカギ。
そのレトロな雰囲気がどこか韓ドラ「シグナル」を思い出しますが、このドラマは刑事モノではなく恋愛を中心にストーリーが展開していくので、より日常的なシーンが多く入り込みやすいです。
演出こそ韓ドラには及ばずですが、脚本の出来の良さでは、韓ドラのタイムスリップものを上回っているのではないかと思う程。
中盤以降はいっきに伏線回収が始まりますが、それと同時に新たな謎と意外な展開が待っているので、予測不可能なラストが気になり虜になります!
雨萱(ユーシュエン)/韻如(ユンルー)
雨萱と韻如の二役を演じるのがアリス・クー。
17歳と27歳の二役を演じています。
いや~、演じ分けがとにかく上手かった。
正直なところ、最初はどう見ても30代半ばのアリス・クーの高校生役に無理があるような気がして。27歳の役の時には年相応の美しさで違和感が無いのですが、高校生シーンではいっきに老けて見えてしまい…。
なのですが、見ているうちにその事が気にならないぐらい、それぞれのシーンの設定に合わせた演じ分けが素晴らしかったです。表情や立ち姿を見るだけで誰を演じているのか分かる!
詮勝(チュエンション)/子維(ズーウェイ)
詮勝と子維の二役を演じるのがグレッグ・ハン。
ネタバレになるので書けませんが、グレッグ・ハンも素晴らしいです。
少年のような天真爛漫な表情を見せたかと思えば、落ち着いた影のある表情まで、こちらもアリス・クーに負けず演技が良かった。このドラマでグレッグ・ハンにハマる人が多いのが分かります!という私も子維という役にハマリました。こんな男子は絶対モテるやろ~!という魅力的な役どころ。
俊傑(ジュンジエ)
俊傑を演じるのはパトリック・シー。
こちらは一役ですが、耳の障害を持つ繊細な青年役。
高校生シーンはこの優しく穏やかな俊傑がいたからこそ、子維の陽気さが際立ち、さらに韻如との複雑な関係も見応えのあるものになっていたと思います。
感想(ネタバレあり)
↓以下ネタバレあり
演じ分けが複雑
主演二人の演じ分けは厳密には二役以上とも言えます。
アリス・クー
- 雨萱(27歳)
- 韻如(17歳)
- 魂は雨萱の韻如
- 雨萱の真似をする韻如
- 運命が変わりラストで登場した韻如(17歳)
グレッグ・ハン
- 子維(17歳)
- 子維(38歳)
- 詮勝(18歳)
- 魂は子維の詮勝(18歳~25歳)
- 運命が変わりラストで登場した子維(28歳)
という感じ。
特に素晴らしかったのはやっぱり、雨萱の真似をする韻如ですね。
脚本の面白さ
本当に綿密に練られた脚本に唸ったドラマ。
現在と過去、現在と未来といった時間移動だけのタイムスリップ作品は数多くありますが、そこに同じ顔をした他人の中に入るという要素がプラスされるので、より複雑ながらも斬新で頭を使う分夢中になりました。時系列で一覧を作りたくなるドラマ(←実際見ながら作ってしまった…)
そして雨萱が主役で彼女からの視点だけでストーリーが進んでいくのかと思いきや、中盤からいっきに伏線回収が始まり子維の視点で描かれていく事で心を鷲掴みにされました。このドラマ、面白過ぎる。
遂に38歳の子維が雨萱と再会するシーンでは、「どういう事⁉早く説明して!」という気持ちが止まりません。
同じシーンでも見方が変わる
そしてそこからまた面白いのが、詮勝(魂は子維)と雨萱の大学時代のストーリーに切り替わる事。
ミステリーが最高潮に達したところで、ガラッと雰囲気を変えて二人の大学時代の出会いから付き合うに至るまでを、明るく軽いタッチで描いているのがいい。
そして前半でも見た同じシーンなのに、状況を理解した後だと見ているこちらは子維に感情移入しまくり!!大学で必死に雨萱に近づこうとする子維が切なくもカッコいい!
意外な展開
私がこのドラマで一番上手いと思ったのは、後半で韻如が雨萱に成り代わろうとするところ。ここまで静かに隠れていた韻如がこんな形で現れるなんて、上手過ぎる。
ただのタイムスリップだけでなく、韻如の心理を上手く絡ませてくるところが奥深い。
韻如が自殺する直前、「自分は誰にも愛されない」と俊傑に訴えるシーンは迫力がありました。それまであまりにも卑屈な韻如が理解出来なかったけど、このシーンは少なからず共感できるものがありました。
さらに韻如が雨萱ではないと気付く子維の微妙な表情が上手く、自殺を止めた後の雨萱を見た瞬間、すぐに雨萱だと気付き抱きしめる子維がもう、感動。
泣けるシーン
以下、私の好きなシーンを書かせて。
バスに乗っている雨萱の後ろの座席で、子維がメッセージを読むシーンがジンジンくる!伍佰の「ラストダンス」の歌詞と重なり切なさMax!(←特に二度目の視聴で)
後半で子維の死後、ウォークマンが壊れてしまい過去に戻れなくなった時。雨萱の夢の中で子維が「名前を聞いてもいい?」とメモを渡すシーン。
この夢がね~、可愛くもあり切なくもあり、胸がいっぱいになりました。
ラストについて
このドラマは台湾で最終回放送前に、映像が流出する事件があったらしく、急遽ラストの最後にスペシャル映像が追加されていました。
元々のラストも素晴らしいですが、追加された映像で更に二人が結ばれた事が確実になり、個人的にはより良いラストになったと思います。
他のタイムスリップ作品と違い、このドラマで嬉しいのは、同じ時空に存在する二人なので本当のハッピーエンドがあり得るところ。ラストは生まれ変わりとかではなく、年齢差がある本物の二人が出会い幸せになるので視聴者を満足させてくれました。
良く出来た脚本で楽しめたドラマでしたが深く考え始めると「鶏が先か、卵が先か」の状況に陥ってしまい、そもそも何が一番最初だったの?という疑問も残りました。時系列年表を作ってしまったので余計に(汗)
ファンタジーでそこを突っ込むべきではないでしょうけど。
あと、最後に運命が変わった後、28歳になった俊傑と韻如の関係もちょっと興味アリ。まだ続いているのか?だとしたら28歳の韻如と17歳の雨萱の出会いもあり得るのかな?などなど。
時をかける愛 OST
このドラマで使われている曲はどれも歌詞が内容とリンクしていて心に沁みますが、やっぱり何と言っても伍佰のラストダンス。
21年前にタイムスリップするドラマの内容と、ノスタルジックなこの曲がマッチして、観終わった後には頭から離れません。
まとめ
どのシーンも重要で意味のあるセリフばかりなので、どういう事なのか?と考えるのが楽しくなるドラマ。さらに個人的には中盤以降の伏線回収の仕方が好きです。小出しでイライラという事なく、一気に見せてくれるのでスッキリしつつも、また次々と謎を重ねてくるのが本当に完成度の高いドラマだと思います。このドラマを面白く無いと感じる人がいるのかな?と思えるぐらい見応えのあるドラマでした。
©Fox Networks Group Asia Pacific Limited, TaiwanBranch&Three PhoenixesProduction Co.Ltd.