アカデミー作品賞受賞!「パラサイト 半地下の家族」を観ました。
凄いですよねー、アジア映画で作品賞受賞なんて…韓国映画のパワーを感じました!
私も最近ずっと韓国の映画やドラマばかり観ているので、今回の受賞は他国ながら本当に嬉しいです。
「パラサイト 半地下の家族」は、笑えるブラックコメディでありながら、実は韓国の格差社会を映し出す人間ドラマです。
Contents
パラサイト 半地下の家族 作品情報
製作国:韓国
ジャンル:コメディ・サスペンス・ヒューマン
監督:ポン・ジュノ
上映時間:132分
鬼才と言われるポン・ジュノ監督。「殺人の追憶」や「グエムル-漢江の怪物-」が有名です。
過激な作品でありながら、人間の本質や奥に秘めるものを表現するのが上手い監督です。
パラサイト 半地下の家族 キャスト
- キム・ギテク役(ソン・ガンホ)
- キム・チュンスク役(チャン・ヘジン)
- キム・ギウ役(チェ・ウシク)
- キム・ギジョン役(パク・ソダム)
- パク・ドンイク役(イ・ソンギュン)
- パク・ヨンギョ役(チョ・ヨジョン)
ポン・ジュノ監督と聞けばソン・ガンホがすぐに思い浮かぶ程、ポン・ジュノ作品に多く出演されています。
私はソン・ガンホと言えばハードで過激な役が多いイメージだったので、今回のようなコメディ部分を演じているのが意外で、さらにそれが上手くてハマっていました!
パラサイト 半地下の家族 あらすじ・みどころ
あらすじ
キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。(引用:映画com)
ユーモア、サスペンス、アクション、ヒューマンというあらゆる要素が盛り込まれた超一級のエンターテイメント!
パラサイト 半地下の家族 ネタバレなし感想
テンポの良いストーリー展開と笑い
前半はとにかく面白い!!
貧乏一家の長男ギウが友人に家庭教師を代わって欲しいと頼まれて、エリート一家が住む豪邸を訪れるところからストーリーが始まっていきます。
普段住んでいる半地下での生活。
一方家庭教師として訪れた先には今まで見た事のないような豪華な暮らし。
貧乏な青年が裕福な家庭に入り込んでいくその過程が面白く、次々と予想を超えた展開に観ている方は「次はどうなるの?それで次は?」とワクワクドキドキハラハラが止まりません。
さらにブラックジョークも誰でも分かりやすい笑いで、私は観始めてすぐにこのパラサイトの世界に入り込みました。
パク・ソジュンがカメオ出演
この映画にほんの少しだけパク・ソジュンが出演しています。
ギウに家庭教師を代わって欲しいと頼む友人役なのですが、一瞬の登場でもやっぱりカッコいい…(^^;)
ですがいつものキラキラオーラを消して、ポン・ジュノ映画に馴染んでいたような気がします。
後半の意外な展開
後半になると前半では想像出来なかった予想外の展開が待っています。
まさかこんな展開に⁉
ただの笑える映画だけで終わらなかった!
この次々と起こる出来事に目が離せなくなります。
韓国の貧富格差を描く素晴らしい作品となっていますが、これ以上書くとネタバレになるので、この先は以下へ…。
パラサイト 半地下の家族 ネタバレあり感想
↓この先はネタバレあり↓
家族全員でパラサイト
前半の面白さは、家族全員で金持ち一家にパラサイト(寄生)してしまう事です。
長男ギウ⇒英語の家庭教師としてパク家に入る
長女ギジョン⇒長男ギウの紹介で美術の家庭教師としてパク家に入る
父親ギテク⇒長女ギジュンの紹介で運転手としてパク家に入る
母親チュンスク⇒父親ギテクの紹介で家政婦としてパク家に入る
と、こんな風に次々と家族が家族を紹介していき、遂には全員がパク家で働く事になるのです。
こんな騙されやすい人ってあり得ない…と思いつつ、パク家の母親ヨンギョが単純で笑えます。
格差社会を描写
この映画の中で、印象的だったのが「雨」と「匂い」
どちらも格差社会を表現する為に上手く使われています。
高台に住む富裕層とは違い、大雨で家が洪水で住めなくなってしまう貧困層。
ギテク達の住む家も洪水に遭ってしまい、体育館で寝泊まりする事になる。
私はここでギテク達はこの茶番に疲れ果て、姿を晦ますのかもしれないと思いました。ドンイク一家の元には戻らないのかな…と。
ですがそんな事では諦めない。しがみ付いてでも生きていくしかないのです。
高台でパーティの準備をするドンイクの家族と、前日まで洪水の中で走り回っていたギテクの家族の対比が切ないです。
そして匂い。
ドンイクはギテクと二人で車内にいると臭いと妻に話す。それを隠れて聞いてしまうギテク。その匂いは地下での生活臭であり、他の家族も同じ匂いがすると言われてしまう。
ドンイクにとっては直接本人に言った訳でもなく、軽い言葉だったのでしょうが、ギテクにとっては匂いそのものが貧困生活の証だと突き付けられたような気がしたのでは?
ギテクはそれに対してセリフはありませんが、表情や仕草から、傷つき怒りが溜まっていく様子が観ていて伝わってきます。
豪邸の地下に男が住んでいた
この映画の面白さを深めている一つに、他にも地下住人が登場するところです。
半地下に住むギテク一家。彼らだけが貧乏人を象徴する登場人物なのかと思えば、実はドンイクの豪邸の地下にも、一人の男が4年以上も隠れ住んでいた。
この辺りの驚きとバトルも面白かったですね。
後半の急展開が衝撃
前半、嘘から始まり他人の家にパラサイトするなんて、犯罪とはいえまだまだ笑える範囲内です。
それが後半、物語はサスペンス化し、遂には殺人事件にまで発展します。
金持ち達がパーティを楽しんでいる中、豪邸の地下に住む男がパーティに現れ、ギテクの娘(美術家庭教師)がその男に刺されてしまいます。それに反撃する母親(家政婦)。
そしてその地下の男が母親(家政婦)に刺された瞬間、ドンイクがその臭いに鼻をつまみます。
それを見たギテクの中で抑えていたものが爆発し、ギテクはドンイクを刺し殺してしまうのです。
ドンイクが地下に住む人達を「臭いもの扱い」する事で、ギテクは人間扱いされていないと感じたのでしょう。
変わらない現実
ドンイクを刺した後、ギテクは何とその豪邸の地下に逃げ込み、そこに隠れて住むようになります。
そうです。結局これからも地下の生活は続くのです。
さらに息子のギウは父親があの豪邸の地下に隠れている事を知り、いつか自分があの豪邸を購入し、父親を外の世界に出してあげようと夢を描きます。
ただ、それはあくまでも夢。
実現するには程遠い夢なのです。
万引き家族と比較
この映画は格差社会、家族をテーマにしている事から、是枝監督の「万引き家族」と似ている気がします。
ただ違うのは、「万引き家族」は「家族」に重点を置き、さらにヒューマン的なシーンが多いところ。
一方この「パラサイト 半地下の家族」は「格差社会」に重点を置き、そしてヒューマンにとどまらずコメディ、サスペンスといった色んな要素を取り混ぜた映画であるという事かと思います。
どちらも私は好きな映画ですが、エンターテイメント性という点ではやっぱり「パラサイト 半地下の家族」は凄いです。
パラサイト 半地下の家族 評価|まとめ
観ていた時間があっという間に感じる程、確かに面白く良く出来た映画です。
今まで韓国映画を毛嫌いしていた人でも、国籍関係なく受け入れやすい面白さだと思います。
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