韓国ドラマ「サイコだけど大丈夫」を観ました。
心に傷を負った兄弟と、孤独な女性の物語。童話を取り入れたブラックファンタジーで感動傑作です!
視聴後かなり日が経ってしまいましたが、感動は色褪せず。なので感想を書いてみようと思います。
Contents
サイコだけど大丈夫 作品情報
製作:韓国(tvN)
ジャンル:ヒューマン、ラブストーリー、ミステリー
脚本:チョ・ヨン
演出:パク・シヌ
話数:全16話
サイコだけど大丈夫 キャスト
- ムン・ガンテ役(キム・スヒョン)
- コ・ムニョン役(ソ・イェジ)
- ムン・サンテ役(オ・ジョンセ)
- ナム・ジュリ役(パク・ギュヨン)
- チョ・ジェス役(カン・ギドゥン)
- イ・サンイン役(キム・ジュホン)
- ユ・スンジェ役(パク・ジンジュ)
サイコだけど大丈夫 あらすじ・予告
あらすじ
金もなく、両親もなく、希望すらない精神科病棟の保護士。彼にあるのは自閉スペクトラム症の兄一人。ただひと月の月給で兄とお腹いっぱいに食べてゆっくり眠れさえすれば、それでいいという男の前に童話の中の魔女のようなおかしな女性一人が現れる。
刃物の代わりにペンを振り回して童心を支配し、操る児童文学界の女王。その上、先天的な欠乏で愛の感情を知らない彼女が、愛を拒否する男に運命的に惹かれてしまう。
こうして血が飛び、身がえぐれる戦争のような駆け引きが始まる…。(引用:wowkorea)
感想(ネタバレなし)
感想を書きたいけど、この感動を書ききれない…
それで書くのを諦めていた程、私の中では強烈な感動作だったこのドラマ。
私はこのドラマをNetflixで配信開始と同時に見たのですが、最終話まで見終わった後、ロスが酷くて、しばらく他のドラマに全く興味が持てず…。
もう、本当に…号泣。
ここまで心に響いたドラマは、映画を含めて思い返してみても他に思い当たらない程、私の中で最高傑作になったドラマでした。
練られた脚本という意味では、他の作品の方がもっと良いものがたくさんあるように思いますが、心へのメッセージ性の強さでは最強でした。
兄を支えて生きる保護士 ガンテ
幼い頃に両親を亡くし、自閉症スペクトラム障害の兄サンテを、一人で支えながら保護士として働いている。兄優先で生きてきた為、自分の感情を抑える事が習慣になってしまった。
このドラマでキム・スヒョンの凄さを実感しました。
今まで彼の作品を見てもそこまでハマれなかったのですが、この作品での特に泣きの演技が凄過ぎて、ガンテの表情を見ているだけでこちらも涙。リアル過ぎます。
自閉症スペクトラム障害の兄 サンテ
メインキャストは、ガンテ、サンテ、ムニョンの3人。
3人とも演技が素晴らしくて、この3人じゃなきゃダメだと思わせる演技でしたが、このドラマの軸となるはやっぱりこの方、サンテを演じたオ・ジョンセssiではないでしょうか。
凄すぎる!!!
自閉症という、一歩間違えば誤解されそうな、白けてしまいそうな、難しい役どころを凄く自然に演じられていました。
↑こういった何気ないシーンでの視線、姿勢、動きなど、全てが自閉症患者その人にしか見えません。
オ・ジョンセssi無しではこのドラマは成立しなかったでしょう。いや、本当にただただ凄い。
孤独な人気童話作家 ムニョン
猟奇的な母の元、愛を受けられなかったムニョン。幼い頃に両親と離れ孤独に育つ。成長後は感情を抑えられない傲慢な女性になった。
キム・スヒョン、オ・ジョンセの演技が凄すぎますが、ムニョン役のイェジssiも負けて劣らずの存在感。
演技というより、彼女の持っている雰囲気がまさにムニョン役にピッタリ!
そして魅力的なのがその低い声。
媚びないクールな役と、ワガママで実は孤独で弱い心を抱えているというこの役に、その落ち着いたトーンの声がマッチしていました。
特に童話を読むナレーションは、彼女の声でこそ!
衣装やセットの世界観が素敵
まず最初に目を引くのが、コ・ムニョンのファッション。
まさにお姫様のようなヒラヒラでド派手なファッションでどこにでも現れます。なので浮きまくり、注目の的。
イェジssiのスタイルの良さに見とれてしまいますが、このお姫様ファッションと、ムニョンが住む古い洋館の雰囲気がマッチしていて、このドラマのダークファンタジーな世界観に入り込む事が出来ます。
陰なヒューマンドラマ
あえて言えば、このドラマは陰なヒューマンドラマではないでしょうか。
韓ドラで私が好きなヒューマンドラマと言えば、「椿の花咲く頃」や「刑務所のルールブック」を思い出しますが、そのどちらも陽なヒューマンドラマという印象。
▲この兄を見つめるガンテの表情がいい
それらの、明るく人との繋がりをストレートに感じるヒューマンドラマとは、真逆な位置にあるドラマのような気がしました。
大勢の人々の繋がりを映すのではなく、一人の心を奥深くまで見つめるようなドラマ。
たった一人でいい、理解者が欲しい。
それが痛い程伝わってくるドラマ。
涙スイッチ入りっぱなし
最初はムニョンの強烈なキャラクターのせいか、ポップなドラマなのかなぁ…と軽い気持ちで見ていました。
それが童話が登場したところで、これは…何か違うぞと思い始め、
そして4話のラスト、号泣。
このドラマ全話素晴らしかったですが、私は4話のラストが一番好きです。
多分100回見ても、1000回見ても涙が出てしまうと思う。
キム・スヒョンの泣きの演技、ソ・イェジの童話を読む声、流れる曲、そして何よりその童話の内容に胸を打たれました。
もうね、泣き過ぎて画面が見られなかった程、嗚咽状態です、汗。
ドラマや映画でここまで泣いたの初めてかも。
ここで私は涙スイッチが入ってしまい、この先のストーリー、ほぼずっと泣きっ放しでした(^^;)
だって名場面が多過ぎて。
それぞれの成長
この3人はそれぞれタイプが違うものの、3人とも他人と共存するのが難しいのが共通するところ。
サンテは自閉症でいつまでも自立出来ず、ガンテは兄への責任感から自分の感情を押し殺したまま生きています。
そしてムニョンは弱い自分を守る為、他人を攻撃してばかり。
そんなバラバラな3人が、それぞれ欠点を補いながら、徐々に心を通わせていく過程が心温まります。
特にサンテとムニョンの関係が可愛くて温かくて、後半は泣ける!
患者達との関わり
このドラマではガンテが勤めるOK病院の精神患者が数人登場しますが、さりげなくガンテ、サンテ、ムニョンの3人が患者達の心の傷を癒していきます。
この辺りの脚本はとても良かったですね~。
3人だけのストーリーではなく、患者それぞれが抱える悩みを乗り越えるストーリーに勇気付けられます。
童話から伝わるもの
このドラマはムニョンが描く童話のストーリーと同時進行していきますが、その童話が素晴らしいです。
この童話があるからこそ、この作品があるのだと思いますが、それにしても童話から伝わるものはドラマのストーリー以上だと言ってもいい程です。
どの童話も一見「サイコ」な内容で、不気味なものばかり。
ティム・バートン作品のようなイラストでどれも悲しく辛く、とても童話とは思えない内容です。
だけど童話一つ一つから愛を求める心が痛い程伝わりますし、生きていく上で大切な事を教えてくれる大人が読む絵本だと思います。
ストーリーと童話がラストに向けてシンクロしているのも感動的でした。
脇を固める人達
私にとっては最高のドラマでしたが、あえて一つ言うなら、脇が少し物足りなったかも。
↑彼らは完全に脇としてしか見えず、感情移入するところまでいきませんでした。
ただこのドラマは主演3人への比重が大き過ぎるので仕方ないのかも。
でも↓この友人ジェスとのシーンは良いシーンが多かった!
空を見上げながらジェスがガンテの母親に叫ぶシーン、号泣。(←どんだけ泣いてるねん!)
総評
とにかくこれ以上ないぐらい感動したドラマでした。
ミステリー部分のストーリーはサラッとしていて単純ですが、それがヒューマン部分を邪魔していなくて丁度良かったです。
後半に問題も解決し、このまままとめに入るのかな?と最終話を見たのですが、ここでまた予想外の展開となり、想像以上の感動でラストを終わらせてくれました。
こんな完璧なラストってある⁉と言いたい。
最後の童話も最高です。
▲このマンテの奪い合いが最高でした
サイコだけど大丈夫 OST
注)動画にはストーリー内容が含まれます
In Silence/Janet Suhh
↑何といってもこのドラマで印象的だったのがこの曲。ちなみに映像も私にとって永久保存版の名場面。切ない声とメロディで童話の内容に見事にハマります!この曲が流れるだけで涙腺崩壊!
まだあなたの時間に生きる/イ・スヒョン
息/サム・キム
↑トッケビの「Who Are You」が凄く好きなので、サム・キムが歌うこの曲も凄く好きです。
Wake Up/Elaine
↑切ない曲の他に、ムニョンが登場するシーンでよく流れていたこの曲もムニョンの小悪魔的雰囲気にマッチしていてお洒落でしたね~。
全体的にバラードが多くて素敵な曲ばかり!特に私はジャネット・スーの歌う曲がどれも印象的でした。
サイコだけど大丈夫の童話
ドラマの為に作られた童話ですが、韓国でも放送後に大きな反響があった事から、現在は発売されています。
- 悪夢を食べて育った少年
- ゾンビの子
- 春の日の犬
- 手、アンコウ
- 本当の本当の顔を探して
どれも本当に素晴らしい内容です。私も欲しい!!
ドラマ関係なく、こういう絵の雰囲気も好きです。童話のイラストを描かれたチャムサンssiはドラマ内でサンテが描いた絵も実際に描かれたようですね。
まとめ
ダラダラと書いたものの、あまりに感動し過ぎて何を書けば良いのかまとまらず。
とにかく最高に心に響くドラマ。またしばらくしたら何度でも見たいと思います。