韓国ドラマ「九尾狐伝」(原題: 구미호뎐)を観ました。
イ・ドンウク主演で九尾狐と聞くだけで面白そうで、ずっと見たかったこの作品。
ドンウクさんのビジュアルはもちろんですが、それだけでなく内容はトッケビを彷彿させる雰囲気もありつつ、オリジナリティがあり期待以上に楽しめた作品でした。
Contents
九尾狐伝 作品情報
製作国:韓国(tvN)
ジャンル:ファンタジー、ラブロマンス、アクション、サスペンス、ホラー
脚本:ハン・ウリ
演出:カン・シニョ「相続者たち」「パンドラ~小さな神の子供たち」
話数:全16話
九尾狐伝 キャスト
- イ・ヨン役(イ・ドンウク)
- ナム・ジア役(チョ・ボア)
- イ・ラン役(キム・ボム)
- ク・シンジュ役(ファン・ヒ)
- キ・ユリ役(キム・ヨンジ)
- イムギ役(イ・テリ)
九尾狐伝 あらすじ・予告
あらすじ
1999年。ジアは誕生日の夜、両親と車に乗り狐峠を通った時、事故に遭いジアの両親が消えてしまった。その時ジアだけは謎の男に助けられる。21年後、テレビ局のプロデューサーになったジア(チョ・ボア)は、取材先で不審な男ヨン(イ・ドンウク)と出会う。ヨンは人間の姿をしているが、実は600年前から生きている九尾の狐で、21年前にジアを助けたあの男だった。ヨンは過去に愛した女性アウムの生まれ変わりを待ち続けてきたが、アウムと同じ顔をしたジアの事が気になる。一方ジアはヨンが普通の人間でない事に気付き始め、ヨンを試す為にヨンの目の前で高層マンションから飛び降りるが、その瞬間ヨンは…。
感想(ネタバレなし)
この作品の前に「ホテルデルーナ」を観たのですが、本作もまたファンタジー。
死後の世界や三途の川、前世の生まれ変わりなど、似たような設定でさすがに飽きるかな?と思いつつ観ましたが、全く雰囲気が違っていてこれはこれで面白かった!
ホテルデルーナの方が王道ファンタジーという感じで、雰囲気も童話のような世界観がありますが、このドラマはファンタジーというより、サスペンス色が強い。
「トッケビ」とも似ているけど、このドラマの方が悪を倒す事に重点を置いています。
そして何より私が気に入ったのが、ホラーのシーンが本気で怖いです!!
少し前に観た「Sweet Home」や「ザ・ゲスト」の方が一見怖そうですが実際はそれ程でもなく、本作のホラーシーンの方が余程ちゃんと怖かったです(^^;)←トイレに行くのが怖くなるレベル。
そういう意味で予想外にサスペンスやホラー部分がよく出来ていて見応えがありました。アクションもカッコイイ!!
赤い傘も効果的に使われていて後半は傘を見ただけで嬉しくなります。
ストーリー内容が濃くて次々と展開していくので、前半から目が離せず面白い。
ただちょっと後半でダレてきたかな…と思ったのですが、15話、16話で盛り返してくるのが凄くて、最終話がすごく私は良かったです。
九尾狐 イ・ヨン
人間の姿をした九尾狐。600年前、掟を破り白頭山の山神の座を奪われ追い出された。愛するアウムの転生と引き換えにこの世とあの世の境界を乱す罪人に処罰を与え奉公するという契約を結んでいる(狐の恩返し)
イ・ヨンを演じるがイ・ドンウク。
そりゃハマらない訳がない。黄金に光るこの瞳が似合い過ぎる~!!
長身に白い肌、彫の深いお顔、そして雰囲気全て人間でない役がやっぱり似合う。
狐設定ですが、このルックスのうえに瞬間移動出来たりすぐに傷が治ったりと、ヴァンパイアのようにも見えました。その方がしっくりきません?
ハマリ役だったので安心して見る事が出来ましたが、欲を言えばもっと空を飛んだり光る目のシーンをたくさん見たかった。中盤は九尾狐っぽさが少なくて、普通に戦うお兄ちゃんに見えてきました(笑)
オカルト番組PD ナム・ジア
幼い頃に両親が消えてしまうが、どこかで生きていると信じて探し続けている。
ジアを演じるのがチョ・ボア。
美人だし韓服も似合って綺麗だな~と思うのですが、私はこのジアが全くダメでした。
これっぽっちも感情移入出来ず(汗)
特に、ボアちゃんは中盤以降で演じ分けをしなければならないのですが、そこがイマイチに感じてしまった。どの役を演じている時もあまり変化がなくて。
申し訳ないけど、観終わった後に他の女優さんだったらどんな感じになっていたかな?と想像してしまいました。
半狐 イ・ラン
で、予想外に良かったのがこのイ・ラン。ヨンの弟でブラコンを拗らせちゃってて兄に攻撃的。
最初は絶対に好きになれないキャラだと思っていたんですけどね~。
一番感情を動かされるキャラだったかもしれません。
このドラマはラブストーリーと、兄弟愛の二つが同時進行しますが、私は断然ヨンとランの兄弟の展開の方が面白かったです。
サブキャラ達
他のキャラクターも個性豊か。
特に私が一番好きだったのが、このユリ。
愛情を受けた事がない狐。捕らえられて動物の扱いを受けていたところをランに助けらた為に、ランへの忠誠心が強い。
このユリの飼い主(ラン)への忠誠心がまさに犬と同じで、虐待される犬を登場させたり、この狐ストーリーを犬と重ねているところがなかなか面白かった。シンジュも獣医師ですし、細かい設定がよく考えられています。
それにより、ランとユリの関係が凄く良くて。
ユリを演じるヨンジちゃんも「ザ・キング」の時より個性が強くて普通じゃないのに、すごく可愛い♪
そしてこの方も良かったです!
悪役大蛇、イムギ役のイ・テリ。
大蛇の役をおじさんが演じたらどれ程テンションが下った事か…。
恐ろしい役をこのツルッとした綺麗なお顔で演じてくれるのが、視聴者のテンションを上げ、さらにこの美しさでより怖さを感じられました。
ラブシーンが多い
で、ラブシーンが多いです。えぇ、キスもしまくり(笑)
でもそれが…全くハマれなかった。
ラブシーンがある度に私は冷めた目で見てしまいました。何でだろ~?勿体ない。
前述したとおり、ジアに感情移入出来なかった事が大きいと思いますが、ヨンも素敵なのに二人の相性がイマイチというか。
でも個人的な感想なので、ハマる人はハマれると思います。シーン自体は素敵なので。
感想(ネタバレあり)
↓以下ネタバレあり
12話ぐらいまで「メチャ面白いー!」と夢中で見ました。
特にファンタジーとアクションが活かされたシーンが好きで。
ジアが高所から飛び降りるシーンが2回あり、そのどちらもヨンが助けますよね。
あのシーン、2回とも素敵過ぎる!!あそこだけ何度もリピしました(^^;)
ラブシーンよりあぁいうシーンの方がずっとキュンとするんだけどなぁ。
全体的にはサスペンスっぽく、ジアの中にイムギの一部がある事も、それをどう解決するのか?というのも見応えがあり、過去ストーリーを交えながら退屈する暇なく観ました。
なのですが後半、ちょっとペースが落ちた気がして。
ヨンが鱗を飲むのか飲まないのかじれったかったり、急に夫婦ごっこのシーンが入ってきたり、それはいいからもっとたたみ掛けるように進めて!と思いつつ、どうしてもトッケビと比較するとまとまり無く感じたり。
で、残念だな~と思っていたところで15話、16話、凄く良かったです!盛り返しました!
特にヨンが三途の川に飛び込み、その後の展開って重要ですよね?
軽くまとめっぽくなるか、あっけなく復活するか。
ラストのまとめ方でドラマの面白さが変わってしまうと思うのですが、このドラマの最終話は期待以上に良かったです!
最終話。あまり一体感がないと感じていたキャラ達が、ここにきてようやく仲間っぽくなっているのも温かい雰囲気で良かったし、何と言ってもラン!!!
まず占い師が登場した時、私もようやく狐珠の事を思い出しました(←戦いですっかり忘れてた視聴者)
なるほど!これを残していたか!
ただのまとめに終わらず、しっかりオチを残し伏線回収してくれていて素晴らしい。
最後にジアとランという、ヨンを最も愛する二人が一緒に救おうとするのも感慨深い。
さらにさらに、動画で兄に送るメッセージが最後まで皮肉交じりで、最後の「ヒョン」の一言が泣ける!
ランの最後は悲しいけれど、私はあのラストで良かったです。今まで自分の命に価値を感じられなかったランが、家族が出来た事で命に価値を感じるようになった結果、悲しくも温かい終わり方だと思うのです。
さらに生まれ変わり、ヨンとジアの子供かもと期待したけど、ブラコン卒業という意味では他の親の子供で良かったかも。
このラスト、誰かを中途半端に放置したり切り捨てたりせず、登場人物全員が満足できるように着地させてくれているのでスッキリ。
ヨンが姿も年齢も変わらず記憶もそのまま、さらに人間になっているなんて完璧に満足させてくれました。人間になってヨンとジアが幸せに暮らす姿が微笑ましく、この16話全てのラブシーンよりも、このラストの二人が一番好きです。
…なのに、最後の最後、あのワンカットは何なの~っ???
モヤッとするにも程がある!!
満月にだけ狐に戻るとか⁉そんなの要らん~!!
九尾狐伝 OST
※映像には内容が含まれています
このドラマのOSTも良い曲が多かった~!
Blue Moon/キム・ジョンワン of NELL
I’ll Be There/ショヌ(MONSTA X)
まとめ
何よりイ・ドンウクのビジュアルを最大限に楽しめました。設定が九尾狐なので、死後の世界や妖怪などが登場するファンタジー一色なのかと想像していましたが、意外にアクションやサスペンス部分がしっかりしていて面白いです。そしてホラー部分もお勧め!メチャ怖いですから~!全体を通して次々と展開していき、ラストへの盛り上げ方が上手く最終話のまとめ方もとても良いです。個人的にはラブ要素にハマれずでしたが、内容が盛りだくさんなのでそれでも十分満足できるドラマでした。
(本記事内画像引用元全て:tvN)